明日の大河ドラマは平氏政権樹立の第一歩となる「平治の乱」です。今日は平治物語絵巻の一部よりドラマのエピソードとなりそうな場面を紹介します。
ドラマにした場合の平治の乱での見せ場はまず次の2つでしょう。
●義朝の妾・常葉(常盤)とその男子3人が清盛に命を助けられる
●嫡男・頼朝が池の禅尼の口添えで命を助けられる
歴史物の題材とはいえドラマだから今風の脚色はやむを得ない。しかし、最近の大河は、人間愛・ヒューマンドラマ仕立てにしたい傾向がミエミエで平安末の戦乱を描くドラマにその要素が過度に加味されると、史実をも曲げかねないことになる。
いくら脚色しても史実を曲げるのはまずい。「水戸黄門」のような時代劇じゃないんだから、人間愛・ヒューマンドラマをテーマにするのは注意しなければならない。
その中にあって上記の2つは一応史実とされている。人間愛・ヒューマンドラマ好きのNHKにとって、申し分のないエピソードである。これをとりあげない手はない、情にもろい、女にやさしく、人類愛に燃える清盛を描くのにもってこいである。
だから明日のドラマは史実をみょ~~に捻じ曲げなくても、NHKが好きなテーマ、人間愛・ヒューマンドラマを思う存分描ける。
「よかったでんな、NHKはん」
さてそれではみていこう。
義朝は戦に破れ、殺される。常葉は隠れ家に子3人と隠れているが、平家方が常葉の母をさがして捕え、行方を聞くため拷問しているという噂を聞く。常葉は母を助けるため隠れ家を出て京都に戻ってきた。
その京の家に戻った常葉である。
この後、常葉は母を助けるため昔仕えていた中宮(先の皇后)を訪ねてとりなしを頼む。子3人を引き連れ中宮にお会いし、お互い涙にくれながらいきさつを話す。もちろん皇后は事情をよく御存じである。
おそらく口添えの言葉をもってここから車で(牛車)で清盛のいる六波羅へ送り届けられる。
御簾の中にいるのが中宮(皇后)である。
下の図は、六波羅で清盛に対面する常葉
まあ、この時までに各方面の口添えもあり八分くらいは母子ともに助命するのは決めていたんじゃないでしょうか。
しかし、清盛に対面したことにより助命は100%決定したでしょう。なにせ、美人、不幸に泣き崩れ、胸にはいたいけな乳飲み子、白い胸乳に吸い付き一心に乳を飲む姿など見せられたら、こりゃあ、もう清盛の負け。
『胸を押し広げ、乳飲み子に乳をやりつつ、悲しみに沈む美しい寡婦』
これを見て同情しない人間はいないでしょう。
この時代、負けた敵将の女は、NHKはんはそんな言い方嫌いでしょうが、「戦利品」、気兼ねなく我が物にできます。
同情だけでなく、好色の目で見るのは当たり前、清盛もインポの坊主じゃないんだから
「あのチチ、わいも飲んじゃるんじゃ!まあ、ガキ3人助けたところでどうっちゅうこともあるまい」
とこう考えますわな。普通の性欲の男なら・・・・で。明日のNHKはどなんなるじゃろ・・・楽しみやなぁ。
最後は頼朝が池の禅尼の命乞いで助けられ、伊豆へ流罪前に対面してお礼を述べるところ。
上記の常葉の3人のガキはまだ子ども、助けるいわれも同情もあるが、頼朝はこの時、元服しているし、官位も持っている、立派な源氏の跡継ぎで一人前の男、助けるいわれは全然ないが、義理ある継母のたっての頼みで断れなかったんでしょうね。こういうところ清盛は義理人情に厚いんですね。(のちの頼朝と大ちがいじゃ、清盛の甘さを反面教師にしたんでしょうね)
それにしても、このババア、平家の人間でありながらよけいなことをしましたなぁ、滅びのタネを蒔いて植えたんですから。
でもこの池の禅尼の子たちは平家が滅びた後も頼朝に優遇されます。これを見越してのこのババアの深謀遠慮だったとしたら、このババア、只者じゃない。おそるべし、継母の復讐。
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