韓国では日本の山の登山がブームだそうである。もともと韓国人は山歩きが好きな民族だそうで自国の山を大勢の人が歩いている。しかし韓国の山はみんな低く、最高でも2000m弱だ(韓国最高峰は済州島のハルラさん1950m)。ワイらの住む四国の最高峰が(石鎚山)がそれくらいだから、山歩きに関しては四国人が四国の山に登る感覚なのだろう。
四国の山くらいの高さだと、特に大げさな登山の装備はしなくても登れる。ハイキング、トレッキングのような格好で十分だ。おそらく韓国の人が韓国の山に登るのもそのような装備、そして心構えなんだろう。
しかし、日本アルプスとなるとそうはいかない。3000m級の山である。独立峰は少なく尾根がずっと続いている。2000mと3000mとの登山では単に千メートル高くなっただけではない。全く山の環境・状態が変わってくるのである。2500m位に森林限界線が走っているのである。これより上は木はほとんどなくなり、植生はウンと少なくなり、丈の低い草、そして3000mに近づくと、地衣類(コケ)などになり、岩石などがむき出しとなる。
3000m級の山は岩肌が屹立し、ゴツゴツした岩山は足場も悪く、おまけに崩れやすい。気象条件は大変厳しく、真夏であっても風雨にさらされれば凍死、低体温症にかかりかねない。
彼らが登った中央アルプスは2600m付近までロープーウェイが通じているから、そこを起点にすれば標高差や距離では近在の山に登る感覚であろうが、今のべたように3000m 級の山では悪天での遭難や岩石道での滑落、落石の事故が起こりやすいのである。
ところで彼らが遭難したのは中央アルプス、宝剣岳付近だとニュースで行っていた。それを聞いて、もしや、と思い古いアルバムを繰ってみた。すると
「おお、大昔、ワイも登ったことあるんじゃわ」
懐かしいので写真をアップしました、素顔が出てますが長い年月の風化の末、別人になっておりますから、構いませんわ。
ロープーウェイが着くのは2600mの千畳敷カールです。カールはお椀を二つに割った円形劇場のような形をしています。大昔の氷河の爪痕です。
横の立て看板表示に中央アルプス宝剣岳と見えるがこれが今回の遭難事故の山だ。
中央アルプス3000mの山、駒ケ岳
中央アルプス遠景
今から考えるとずいぶん軽装備だ。よく悪天にならなかったものだと思う。今回の事故を思ったとき、ワイも遭難する可能性はあったわけだ。
「3000m級の日本アルプスをなめてはいけない」
よく無事に戻れたものだ。
※ 一人の登山でした。写真は見ず知らずの人に頼んで撮ってもらったものです。
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