2019年5月20日月曜日

蘭学事始め その1

20121126

 パソコンを打つのに右手しか使えないので、一回の内容量を少なく、何度にか分けてブログをアップしようと思います。
 
 今日から江戸時代の文化年間(1810年代)杉田玄白によって書かれた『蘭学事始め』を読み始めました。もちろん原文です。テキストは30年ほど前に購入していた岩波の古典文庫本です。
 
 18世紀、江戸で蘭学を志す者にとっての最大の難関は言葉でした。
 
 幕府は輸入書物については禁書であるキリスト教関係の本に神経をとがらせました。これに伴い江戸時代初期にはキリスト教関係以外の書物についても(たとえば医学、天文学)ほとんど禁書扱いが続きました。
 
 しかし、吉宗将軍の時代、キリスト教関係以外の本の輸入が緩和されました。
 この輸入洋書は漢訳されたものであるため(つまり中国で漢語に訳されたものを日本が輸入する形です)直接原文の本を勉強するのに比べれば十分なものではありませんでした。
 
 特に医学については最新の本を勉強したいという動機もあり、また長崎出島からもたらされる図入りの医学書、解剖学の本などを江戸の学習意欲のある医者が見たとき、何とかして原文で勉強したいという欲求は高まっていました。
 
 ところが18世紀の江戸では満足な阿蘭陀語の辞書もありません。そんな中、杉田玄白、前野良沢らがオランダからもたらされた解剖学書「ターヘル・アナトミア」を手探りで翻訳し始めました。
 
 その時の苦労を何十年か後に回顧して書いたのがこの『蘭学事始め』です。
 
 ところで阿蘭陀語とはどのような言語なんでしょうか、蘭学事始めの本について書く前にごく大まかな阿蘭陀語の説明をいたしましょう。(次回 その2につづく) 

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